- 首の痛み
- 2025.11.17
首の痛みで「頚椎の間が狭い」と言われました。これって脊柱管狭窄症ですか?
首の痛みで「頚椎の間が狭い」と言われました。これって脊柱管狭窄症ですか?
「首が痛くて病院に行ったら、レントゲンで“頚椎と頚椎の間が狭くなっていますね”と言われました。
これは脊柱管狭窄症なんでしょうか?」
こうした質問を患者さんから受けることはとても多いです。
確かに“間が狭い”と聞くと、「神経が圧迫されているのでは?」「もう治らないのでは?」と不安になりますよね。
でも実は、「頚椎の間が狭い=脊柱管狭窄症」ではありません。
その違いを正しく理解することが、今後の対処法を考えるうえでとても大切です。

■ まず、頚椎の構造を簡単に知っておきましょう
首の骨(頚椎)は7つの骨が積み重なってできています。
その骨と骨の間には「椎間板」というクッションのような軟骨があり、衝撃を吸収しながら、首をしなやかに動かせるようにしています。
ところが、年齢とともにこの椎間板の水分が減り、少しずつ薄くなっていきます。
その結果、レントゲンで見ると「椎間の隙間が狭くなっている」ように見えるのです。
この状態は、いわば“老化現象”のひとつ。
膝の軟骨がすり減るのと同じように、首の椎間板も少しずつ変化していくのは自然なことなのです。
■ 「間が狭い」と「脊柱管狭窄症」はどう違うの?
脊柱管狭窄症というのは、骨や椎間板、靱帯などが変形して「神経の通り道(脊柱管)」が狭くなり、
その中を走る神経や脊髄が圧迫されることで、しびれや痛み、運動障害などの症状が出る状態を指します。

脊柱管とは上から見ると三角の見える神経の通り道で、年齢に伴う靭帯の骨化や頚椎の変形により狭くなることがあります。
このようにCTやMRIで輪切りの映像でしかわからない部分ですので、レントゲンの検査だけで脊柱菅狭窄症はわからないと言えます。
一方、「頚椎と頚椎の間が狭い」というのは、レントゲン上で椎間板が少し薄く見えているという“形の変化”を示しているだけで、
必ずしも神経が圧迫されているわけではありません。
つまり、
「頚椎と頚椎の隙間が狭い」=年齢の伴う構造の変化
「脊柱管狭窄症」=神経の通り道である脊柱管が狭くなり神経の圧迫による症状
という違いがあるのです。
■ では、どんな症状があると注意が必要?
次のような症状がある場合は、神経の圧迫が起きている可能性があります。
1)首から肩、腕、手にかけてのしびれや痛み
2)手の細かい動きがしにくい(ボタンが留めにくい、箸が使いづらいなど)
3)首を後ろに反らすと痛みやしびれが強くなる
4)歩くと脚がしびれてきて、少し休むとまた歩ける(間欠性跛行)
このような症状がある場合は、MRI検査を受けると神経の圧迫の有無がよりはっきり分かります。
MRIでは椎間板や神経の状態まで映るため、「単なる隙間の狭さ」か「神経の圧迫」かを見極めることができるのです。
■ では、どう対処すればいいの?
もし痛みやしびれが強くなければ、まずは日常生活の中で首への負担を減らすことが大切です。
例えば、以下のようなポイントを意識してみてください。
① 姿勢を見直す
スマホやパソコンを長時間使うと、首が前に出て“ストレートネック”のような姿勢になりがちです。
頭の重さは約5kgもありますから、それを前に突き出した状態で支えるのは首に大きな負担になります。
背筋を伸ばし、あごを軽く引く姿勢を心がけましょう。
② 同じ姿勢を続けない
PCの作業や本を読んでいる時などでも、15分〜30分に一度は軽く首や肩を動かすようにしましょう。
血流が良くなるだけでも、筋肉のこわばりが和らぎます。
③ 枕の高さを調整する
高すぎる枕は首を不自然に曲げてしまい、朝起きたときの首のこりや痛みの原因になります。
仰向けに寝たときに、首の後ろが軽く支えられる程度の高さ(思っているより低め)が理想です。
④ 軽いストレッチや体操を取り入れる
首や肩甲骨をゆっくり動かすストレッチは、筋肉をやわらげ、血流を改善します。
ただし、急に首を回したり、痛みが出る方向に動かすのはNGです。
■ 鍼灸・整体でできるサポート
鍼灸や整体では、首や肩まわりの筋肉の緊張を緩めるたりバランスを整えたりすることで、
神経や血管の圧迫をやわらげ、自然な動きを取り戻すお手伝いができます。
特に、首の痛みは“首そのもの”だけが原因とは限りません。
背中・肩甲骨・腰など、全身のバランスが崩れることで首に過剰な負担がかかっているケースも多いのです。
そのため、局所だけをマッサージするよりも、
「姿勢」「筋肉の連動」「呼吸の深さ」などを含めて全体的に整えることが大切です。
■ 心配しすぎないことも大事
レントゲンで「間が狭い」と言われても、それは“年齢なりの変化”であることがほとんどです。
40代、50代を過ぎると、多くの方に見られる自然な状態です。
大切なのは「画像の見た目」ではなく、「実際にどんな症状があるか」です。
痛みやしびれが軽いのに、必要以上に不安になってしまうと、
そのストレスが筋肉を緊張させ、かえって症状を悪化させることもあります。
不安になったときは、一度冷静に体の状態を見直してみましょう。
・寝不足や疲れが続いていないか
・姿勢が悪くなっていないか
・運動不足になっていないか
そうした小さな要因を整えるだけでも、痛みがぐっと軽くなることはよくあります。
■ まとめ
「頚椎の間が狭い」と言われると、不安になる方は多いですが、
それ自体は“病気”ではなく、年齢とともに起こる自然な変化のひとつです。
もし、しびれや強い痛みが続くようなら一度MRIで詳しく調べることをおすすめしますが、
ほとんどの場合は、姿勢の改善・ストレッチ・生活習慣の見直しで十分対応できます。
そして、何よりも大切なのは「怖がりすぎないこと」。
体は、正しい使い方をしていけば、必ず自分で回復する力を持っています。
「狭い」と言われても、焦らず、あわてず、
少しずつ体を整えていくことが、本当の意味での“改善”につながります。
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